コラム

“営業1.5列目”から、最適解を導き出す、 メディアアカウントディレクター平松美奈子の挑戦とは。

統合チャネル戦略本部 メディアアカウント開発局 メディアアカウントグループ 平松美奈子

生活者の価値観の変化に伴い消費行動が多様化する中、従来のマスとデジタルを効率的に連動する統合型マーケティングは企業の事業拡大において一段と重要になっています。
そんな中、ADKマーケティング・ソリューションズでは、2022年にオンオフ統合でメディアソリューションの提供を専門とする「MAD/メディアアカウント開発局」が始動。営業×メディアの知見とノウハウを結集し、データから示唆を持ち、新たな案件の創出を軸にクライアントビジネスの成長を支援しています。

今回のフロントラインレポートは、「MAD」で活躍する若手メディアアカウントディレクター平松美奈子にスポットを当て、クライアントと消費者に気持ちを寄せながら持ち前の追求心と行動力による平松ならではの課題解決について解説します。

-これまでのキャリアについて教えていただけますか?

平松:今年の4月に入社7年目を迎えました。営業としてスタートした数年間は主に食品メーカーを担当し、ブランドのコミュニケーションを中心に、テレビCMやWEB動画、サイトの制作と運用、店頭を含むプロモーション企画にも携わりました。また、テレビスポットやタイム、デジタル広告などメディア関連業務も数多く経験しました。

コロナ禍では食品メーカーの取り組みとして、自炊が増えた消費者に寄り添う観点からブログ型SNSのアカウントを開設しコンテンツを運用。そこでは単なるメーカー発ではなく、ブランドへの興味と好感の醸成を目的に、専門店への取材や消費者の声を交えた客観的な視点で、負担を減らして楽しく料理に向き合える・食卓から、健康で笑顔にあふれた毎日に変えていくといったベネフィットの発信に注力しました。

4年目からは営業との兼務で「MAD/メディアアカウント開発局」に参加することになり、現在までに保険、玩具、ゲームアプリ、BtoB(SaaS系)など幅広いクライアントを担当しています。

営業とメディアの知見を結集し、新たな案件創出とクライアントビジネスに貢献する

-所属されている「MAD/メディアアカウント開発局」という組織について教えてください。

平松:「MAD」の発足は、2020年のコロナ禍を境にメディア環境とメディアに対する消費者意識が大きく変化したことが背景にあります。2019年頃までは、まだメディア≒テレビという認識が強かった印象がありますが、それ以降は急激に消費者のメディア接点が多様化し、企業のコミュニケーション活動において従来のマスに留まらないマスとデジタルを掛け合わせたオンオフ統合プランニングが重要視されるようになりました。

現在の「MAD」は、営業出自とデジタル出自のメンバーで構成されており、メディア環境の状況変化に対応したプランニング・バイイングはもとより、クライアント課題が複雑化しROI最適化の難易度が高まる中、運用と改善によってKPIの達成と費用対効果の最大化を図り、クライアント事業の成長を後押しすることを活動のミッションとして掲げています。

自身の具体的な役割は、営業と綿密に連携しながら様ざまなMAツールを駆使した課題抽出と仮説構築を行い、クライアント提案の機会を継続的に創出しています。特に、データの読み解きから示唆を行う流れの中ではターゲット規定(プロファイリング)を得意としており、例えば、クライアントが持つターゲットイメージに少しでも疑問を感じた場合は、「ADK生活者総合調査」や外部データを掛け合わせた分析を行いながら、プランニングの起点となる、より正確なポテンシャルターゲットを導き出すようにしています。
※ADKが毎年、関東・関西エリア在住の男女10,000名以上を対象に行っている独自の大規模生活者調査

“営業1.5列目”から、課題を見極め高質な提案に繋げていく

-平松さんはふだん、どのような業務をされているのですか?

平松:「MAD」の業務では常に“営業1.5列目”という意識を強く持っており、営業のより近くで併走することでフロント対応の高度化・効率化に取り組んでいます。

クライアントへは営業とともに積極的に足を運び、ちょっとした確認の場であってもチャンスと捉えて、単なるヒアリングで終わるのではなく、先読みした分析データに基づく仮説や過去の事例を提示しながら、クライアントが認識できていない課題の示唆を行っています。

また、クライアントのブランドへの想いに寄り添いながら、0次分析から1次分析、2次分析を踏まえた対話のキャッチボールを重ねていくことで課題解決の方向について合意形成を図っていきます。ネクストステップを見据えてオンオフ視点でディスカッションパートナーとして粘り強く向き合うことは、高質な提案の実現につながると同時に中長期目線ではクライアントとのリレーションを強化できると思っています。

それから、個人的に負けず嫌いの性格ですので、ピッチにはかなり前のめりで参画しています(笑) 。「MAD」の本質である課題化を突破口とした戦略に対して、クライアントから評価と信頼を得て勝利できた時には、改めて“営業1.5列目”として貢献できた達成感があります。

MAツールはゲームのように楽しむ感覚で

-業務の中ではMAツールを使うことが多いようですね。使いこなすコツとは?

平松:使いこなすコツというほどでもないのですが、営業の頃から意識していたのは“わからなくてもツールをあれこれ操作してみる”ということでしょうか。

中には、ツールという言葉を聞いただけでアレルギーを起こしてしまう人もいるかもしれませんが、前述したように、クライアントの考えやイメージに少しでも疑問や違和感をおぼえた時には、いくつかの仮説を持って自身でも確かめてみようとデータ分析を試みることが大切だと思います。クライアントが気づいてない重要なポイントを探索し、発見するといったゲームのような感覚を持って楽しみながら取り組むのがおすすめです。

また、「MAD」のメンバー間でのスキル共有を通じて、課題や目的、狙いたい領域に対応したツールの選定と組み合わせ、分析の視点や手法について、吸収したり実績を積み重ねていくなかで自身ならではのツール活用のコツを掴んでいったようにも思います。

「顧客接点マネジメント」は、行動×感情の文脈で向き合う

-プランニングを通じて、「顧客接点マネジメント」とはどのように向き合っているのでしょうか。

平松:「顧客接点マネジメント」とは、マス×デジタルやペイド・オウンド・アーンドを組み合わせるといった企業と消費者の接点において、投資計画の策定と運用、効率分析と効果検証を行いながら、体験価値を創出し、高めていくことと捉えています。

認知拡大にはテレビ広告というような、この目的に対してはこのメディアといった無機質な考え方ではなく、クライアント保有のデータと自社調査データを掛け合わせた分析をもとに、ターゲットの1日の行動動線やその行動タイミングにおける感情を加味し、このメディアやプラットフォームでの接触が効果的との視点でプランニングを行います。併せて、どのようなコンテンツ(クリエイティブ)をタッチポイントごとに設定するかということも顧客体験を最大化するために重要だと思っています。

メディアプランニングは、右脳というよりも左脳的なアプローチではありますが、クリエイティブ分析につながるツールやデータも活用しながら、どのような表現や情報がターゲットを動かす要素になるかを見極め、効率的なメディアや投資配分に加えて最適な表現(クリエイティブ)まで、データ起点で言及したいと思っています。広く顧客接点ということでは、メディアもクリエイティブもそれぞれがコミュニケーションの変数になっていくと考えています。

多様化する意識や価値観の中で、今後ますます消費者の行動×感情の文脈を捉えた顧客接点の創造とマネジメントが求められると思っています。

-業務の中で感じている課題はありますか?

平松:私がまだ学生だった頃は、世の中のトレンドはテレビ業界や広告業界が作り出してしていたような印象でしたが、今は、明らかに消費者側も影響力のある発信源になっていると感じています。

そのため、メディアプランニングもより一層、消費者起点での発想が必要になってきます。いかに消費者の興味をくすぐる情報を発信して、拡散を後押しできるかが鍵になりますが、それを達成するためには、彼らの行動や価値観、ライフスタイルを常に注視し、深掘りをすることが重要です。

その一方で、cookie規制による消費者情報の利用制限が進む中、消費者固有のデータを取得することは広告業界全体での課題です。当社には、競合に対するプランニングで優位性を打ち出すことのできる提携ツールは複数ありますが、さらに、自社保有データとして消費者分析を精緻化できる環境を整備していくことで、幅と深度を強化した高質な提案が実現できると思っています。

マーケティングパートナーとしてのさらなる成長を目指して

-平松さんにはアグレッシブに取り組む印象を受けます。それはADKで培ったものなのですか?

平松:そうですね、この前向きさはやはり営業時代に培われたものだと思います。当時の上司は「営業だけで課題を抽出して、仮説を出し合い、解決策をまとめて提案しよう!」との方針を持っていたので、そのような中で多くの案件と対峙できたことは今の活動の原動力になっています。

また、多くの自主提案機会を通じてクライアントから信頼を得られる充実感であったり、一方で、提案内容に難色を示されても諦めずに突破口を見いだしたり、そこから更に発展していけた時の達成感など、自信につながる様ざまな経験を積むことができました。

今の時代には少しそぐわない考え方かもしれませんが、業務領域に自ら線を引かず一気通貫でやれるところまでやってみることによって、納得できる結果が得られると思います。

-最後に、“これからはもっと、こんな存在になりたい”との思いがあればお聞かせください。

平松:オフライン領域だけでなく、デジタル領域全般のスキルを身に着け、日々進化するデジタル環境に柔軟に対応できるオンオフ統合型プランナーとしての実力を向上していきたいと思っています。併せて、ストプラ領域や、個人的に専門的な知見のないクリエイティブ領域においてもデータを起点とした方向性出しができ、専門スタッフと共創できる存在になれるよう研鑽を重ねていきたいです。

女性には出産や育児でどうしても仕事をセーブしなければならない時期もありますが、性別による働き方の差異は意識をせずに、営業出自のMADメンバーとして、ここまで挑戦できるということを行動で示し、協働するスタッフに良質な刺激を付与できるロールモデルになれたらと思っています。

これからも、営業とメディア経験を強みにMAツールを駆使した分析を徹底し、ディスカッションからゴールへの道筋を導き出しながらクライアントと併走するマーケティングパートナーとして成長していきたいと思います。



平松美奈子 統合チャネル戦略本部 メディアアカウント開発局 メディアアカウントグループ
上智大学ドイツ文学科を卒業後、2018年に新卒で入社。
営業から、営業とMADの兼務を経て2023年より現職。メディアアカウントディレクター。
抽出したデータを読み解き、示唆を出すことを得意とし、マス・デジタル広告のプランニングや運用をはじめ、企業・ブランドの顧客接点マネジメントに向き合う。


<本件に関するお問い合わせ>
株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ
 統合チャネル戦略本部 メディアアカウント開発局 平松 e-mail:minako.hiramatsu@adk.jp
株式会社ADKホールディングス
 経営企画本部 PR・マーケティンググループ 齋藤/内山 e-mail:mspr@adk.jp

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