コラム

【後編】オリジナル生成AI 新しいトラポケ、トラポケ+(プラス)公開。

ADKグループオリジナル生成AI「トラポケ+」の取り組み~詳細~

前編に続き、ADKマーケティング・ソリューションズDX推進局でトラサクチームとして現場で推進する小林航太郎氏(以下小林)と栂崎彩花氏(以下栂崎)に話を伺いました。

 前編はこちら https://www.adkms.jp/company/column/20241127-2/

トラポケ+の活用事例

トラポケは、当社の業務の中で幅広く活用していただくことが可能で、トラポケ+はより具体的な業務のユースケースに特化したツールとなっています。ユースケースに合わせて、シンプルな生成AIの活用だけでなく、様々なサービスやワークフローを組み合わせ、より特定の要望に特化したツールとして公開しました。トラポケ+は、全社員向けに実施したAI活用に関するアイデア(業務上で抱える課題)を募集し、それらを基に、トラサクチームにて1.5か月で十数件のAI活用機能を実装し、全社員が使用できるというスピード感で公開しました。

■トラポケ+にて提供しているAI機能の例
 企業名から競合情報から市場関連ニュースを自動収集するツール
・検索企業名を入力すると、対象の企業と競合企業の基本的な情報や、その企業の情報を一括で取得することが可能です。

特定トピックで会話のシミュレーションをしてくれるツール
・ニュース情報を一括で取得できたり、施策を検討する中で、ターゲット層の考え方や、施策に対する意見を疑似的にインタビューすることが可能です。
・特定のトピックについて、2人の人物像を与えてあげると互いに会話も可能です。

*その他“企画書用の人物写真を生成するツール”や“クライアント企業理解のための、キーマンの発言を収集するツール”、“バナー広告を解析してくれるツール”など、実際の業務を行う上で、便利なツールだと思うアイデアを公開しております。

トラポケ/トラポケ+のビジネス活用した成功例を教えてください。

当社では、前提としてクライアント納品物に「トラポケ」「トラポケ+」トの出力物をそのまま利用することは社内ルールとして禁止しています。AIの結果は、必ず事前チェックをすることをルールとしています。AI活用ルールをふまえた上で、「トラポケ」「トラポケ+」によるクライアント業務での活用例としては以下のようなケースがあります。

①提案(納品物)クオリティ向上を目的とした業務サポート

「トラポケ」「トラポケ+」を活用し、コミュニケーションプランニングの仮説検討を実施する工程においてはクオリティアップが可能です。特定の条件を指示すると、「トラポケ」「トラポケ+」はWEB検索のAPIと連携していることや、あらかじめ各種システムプロンプト等にデスクリサーチを想定した仕組みをもっているため、裏側で関連するキーワードを生成し必要な情報をリストなどの形で出力可能です。結果、クライアントへの提案や納品物のクオリティが向上しています。

②マーケティング×AI活用という形で支援
社員の80%が業務内で実際に「トラポケ」「トラポケ+」活用経験があり、その知見をクライアント企業の業務に活用しています。例としては、マーケティングDXを実現したいクライアントに当社のAIソリューションアーキテクトやテクノロジスト、データサイエンティストが伴走支援することができます。
例)クライアントが自社サービスとして利用しているAIを、マーケティング業務に関わる社員
が活用していくために、技術サポート×ユースケース開発を支援した実績があります。

トラポケ+開発秘話について教えてください。

今回の開発では、現場から業務で抱える課題や生のアイデアを吸い上げ、約1.5ヶ月で十数件のツールを実装しました。スピード感を持ってリリースまで進めたことで、様々な工夫や苦労がありました。主な2つの点についてお話ししたいと思います。

1.どのアイデアを実現するのか
今回の取り組みにおいて「トラサクチーム」は、現場社員の生の声を聴いて、本当に課題感のあることを解決していきたいと考えました。現場からのニーズを聞き、より現場社員と一体となって全社でAIの活用を進めたいという思いもありました。そのため、完成形のアイデアは、全社に公募するということにしました。その結果、2週間で約250件ものアイデアを集めることができ、現場写真のリアルなニーズをくみ上げるができました。次に、集めたアイデアの中でも、今回の生成AIを組み合わせたツールにおいて、多くの現場社員が業務効率化できるものを優先的に選定する必要がありました。当初の計画では、まず開発に取り掛かることを目標にしていたため、選定の段階においては、速やかに全てのアイデアをジャンルや優先順位分けし、実現性の可否や影響範囲を踏まえた検討を速やかに行うことで、この取り組みのスタートダッシュを組むことができました。

2.チームの体制
短期間での開発のため、チーム体制にも工夫が必要でした。「トラサクチーム」の中でも現状のAIスキルや業務経験にバラつきがあり、上がってくるアイデアに対してチーム全員に検討するスキルが備わっているわけではありませんでした。そのため開発を進めてからも、本当にアイデアが実現でのか、要求とずれていないか、というようなところが問題としてありました。解決方法としてスキル面でいうと、毎週「もくもく会」といった2時間の作業スケジュールを全員で取り、現在抱えている課題などを全員で相談したり、実装を行う場を設けました。全アイデアが要望通りに開発できているか、については実際にアイデアを応募してくれた社員と開発段階からツールに触ってもらい、ヒアリングや機能改修などを行うことで解決しました。これらの取り組みにより、早い段階で一丸となって開発を進めることができ、短い期間でツールを開発することができました。

最後に

ADKグループでは、「ファン」1をデータで可視化し、ファンを増やす仕組みづくりまで提供することでビジネス成果に貢献する、という「ファングロース戦略」を掲げ、「ファングロースソリューション」を提供しています。「ファングロースソリューション」とはクライアント業務を3領域※2に分割した際に各領域で提供しているツールになります。AICoEを通じたAI活用、引いては「トラポケ」、「トラポケ+」は、上記ソリューションを支えるだけでなく、バックオフィス部門も含めてあらゆる場面での活用を行っております。

“トラポケ”を通じて、ADKグループは、より一丸となって、クライアントに寄り添ったマーケティング活動を支援していきます。

各企業・ブランド・コンテンツのコア顧客を発見し、LTVを最大化するソリューション
2 顧客データ&インサイト・ 顧客接点マネジメント・ 顧客体験デザイン


小林航太郎
DX
推進局データソリューショングループ

前職までのWebマーケティング経験から、IPを中心としたプランニング業務と並行し、よりデータドリブンな提案活動ができるようマーケティング支援基盤の構築業務に従事。現在はトラポケ開発チームにて、AI利用の社内利用促進のための取り組みやツール開発も行っている。


栂崎彩花 
DX
推進局データソリューショングループ

2021年よりADKに入社。前職でのエンジニアの経験も生かし、DMP構築や、視聴率予測システムなどの機械学習システムの構築など、マーケティング活動に必要なシステムの開発やコンサルティング支援を行う。現在はトラポケ開発チームにて、AIを活用したツールの開発、支援も行っている。


<本件に関する問合せ先>

株式会社 ADKマーケティング・ソリューションズ
 DX推進局 鬼丸/小林(航)/栂崎
株式会社 ADKホールディングス 
 経営企画本部 PR・マーケティンググループ 根岸/伊藤 e-mailmspr@adk.jp

ADK Marketing Solutions Inc.