コラム
6タイプのプレイヤー像やプレイするゲームジャンルから、マーケティングの打ち手を考える「ゲーム総合調査レポート2024」
2025.01.15
昨今、日本国内の3人に1人がゲームプレイヤーといわれ、プレイヤー人口の増加とともに価値観の多様化も進んでいます。そこで、ゲームプレイヤーの人物像やニーズを掴み、マーケティングコミュニケーションを考えるためのヒントを探るべく、ADKマーケティング・ソリューションズ(ADK MS)は、定量調査による心理・行動の分析をおこないました。そして、彼らの実態を可視化した「ゲーム総合調査レポート2024」を発表しました。
本ページでは、レポートの内容をさらに踏み込んでご紹介します。
「ゲーム総合調査レポート2024」は、3つのパートで構成されています。
・ パート1:俯瞰で捉えた「ゲームプレイヤーの実態」
・ パート2:行動・心理で捉えた「ゲームプレイヤーの多様性」
・ パート3:ゲームプレイヤーに対する「アクション・攻略視点」
パート1:俯瞰で捉えた「ゲームプレイヤーの実態」
パート1では、ゲームハードの所有状況や主要タイトルのプレイ状況等からゲームプレイヤー全体のトレンドを捉えています。また、若年層から中年層までの“世代別でのゲームの嗜好性・価値観”も観測しました。
<分析結果(一部抜粋)>
・ゲームプレイ人口において、モバイルゲームのプレイヤーが最も多い。
・多くのゲーマーが、家庭用ゲーム機やPCゲーム機など複数プラットフォームでプレイ。
・ゲームハードごとにプレイ期間を比べると、長期プレイが最も多いのが「モバイル」。「家庭用ゲーム機」はどれも、半年~1年未満での離脱が多く、PCゲーム機では、1か月未満か1年以上の二極化傾向。
「世代」※1を切り口に比較すると、世代ごとのギャップや傾向が浮き上がりました。
※1 4つの世代に分けて分析。
α世代:2011‐2017年生まれ / Z世代:1996‐2010年生まれ / Y世代:1981‐1995年生まれ / X世代:1965‐1980年生まれ
・α世代、Z世代の若年層ほど「マルチプレイ派」が多い。
・好きなゲームジャンルは世代間で異なり、α世代やZ世代は「リズムゲーム」、Y世代は「ストーリーRPG」を好む傾向。
・Y世代とX世代の半数程度は同時並行でプレイをせず、“1本のタイトルのみ”をプレイする一方で、α世代とZ世代は同時にプレイするゲームタイトル数が多い。
これは、α世代やZ世代のプレイヤーが、様々なタイトルをプレイしながら自分の好みを探索していることによるものだと推測されます。
パート2:行動・心理で捉えた「ゲームプレイヤーの多様性」
パート2では、世代間の比較だけでは掴みきれないゲームプレイヤーの「人物像・集団」に、クラスター※2分析によって迫ります。
※2 「集団」を意味する言葉。クラスター分析とは複数の性質が混在した調査データから「似たものの“集団”」を作り、分類し、分析する手法。
ゲームへのかかわり方は、「5つのニーズの組み合わせ」で決定づけられることが判明し、ニーズの傾向によって、6つのゲームプレイヤークラスターを設計しました。
①トレンド乗りたがりゲーマー、②全方位欲張りゲーマー、③世界観没入ソロゲーマー、④みんなとワイワイゲーマー、⑤ヒット作のみライトゲーマー、⑥サクッとお気軽ゲーマー
<クラスター別の分析(抜粋)>
・「トレンド乗りたがりゲーマー」は、ゲームをコミュニケーションツールのひとつと捉える情報通で、課金にも比較的抵抗がない。
・「サクッとお気軽ゲーマー」は、無料で気軽にプレイするスタイルで、スマホでのゲームがほとんど。
<各クラスターを横断した特徴>
6つのクラスターはそれぞれ異なる価値観や特徴を持ちながら、クラスターを横断して見受けられた発見もありました。
・「全方位欲張りゲーマー」が、新作タイトルやその情報チェックに最も敏感で、「トレンド乗りたがりゲーマー」、「みんなとワイワイゲーマー」が続く。
・一方、「ヒット作のみライトゲーマー」、「サクッとお気軽ゲーマー」の半数以上はそもそも新作ゲームに興味を示さない。
以上のように、6クラスターの中で新作タイトルへの情報感度は二分化されていました。
<クラスター別 ゲーム情報の接点>
さらに、ゲームへの情報感度が異なることで接する情報源にも違いがみられました。
・新作タイトルへの情報感度の高いクラスターでは、認知・興味・詳しく調べる・購入のすべてのフェーズで【動画配信サービスの動画】が重要な情報源に。
・「ヒット作のみライトゲーマー」と「サクッとお手軽ゲーマー」は、動画配信サービスで日常的にゲーム関連情報には触れないため、【テレビCM】での接点創出がより重要といえる。
パート3:ゲームプレイヤーに対する「アクション・攻略視点」
ゲーム市場や世代別の動向、さらにクラスター別の価値観や行動を観測したうえで、実際のゲームプレイヤーに向けて、具体的にどのようなアクションを起こせばいいのか記載したパート。ゲームプレイヤー自身を攻略するための打ち手に迫ります。
5つのゲームジャンル・要素ごとのプレイヤーを対象に、“クラスターの傾向”を踏まえて攻略法を紐解きました。その一部をご紹介します。
<RPGプレイヤーの分析>
・RPGのプレイヤーは、キャラクターやストーリーに没入する体験を楽しみたいと考えている。
・RPGをプレイする「世界観没入ソロゲーマー」に向けては、日常生活から離れた世界の中で、どんなキャラクターで・どんな風に楽しみたいか想像させることでゲームへ誘うことが有効な攻略アプローチ。
・RPGをプレイする「みんなとわいわいゲーマー」は、ゲームについて周囲と語り合うことを楽しむため、“最短タイムでのクリア”、“サブクエスト挑戦”など、嗜好性別にその体験を分かち合える環境の整備が有効。
<ロケーションゲームプレイヤーの分析>
・ロケーションゲームのプレイヤーは、スキマ時間で手軽にプレイできることを重要視し、その中でキャラクターを育てていくことを楽しんでいる。
・ロケーションゲームをプレイする「サクッとお気軽ゲーマー」には、移動時間などの日常に新しいリズムを作り、楽しむきっかけを与えることを伝えるのが有効なアプローチ。
・ロケーションゲームをプレイする「世界観没入ソロゲーマー」には、四六時中ゲームで楽しみたいというインサイトから、いつでもどこでものめりこめる体験を伝えていくアプローチが有効。
ADK MSは、「ゲーム総合調査レポート2024」を通じて、今後もクライアント企業のマーケティング活動を支援していきます。レポート全体についての詳細をご希望の方は、以下の問合せ先までご連絡ください。
【調査概要】
目的:ゲームプレイヤーに関連する基礎情報・動向を収集し、実態を把握する。
対象エリア:全国
対象者条件:小学生~60代男女のハード・タイトルを問わないゲームプレイ経験者
サンプル数:1,252名
調査手法:WEB定量調査(インターネット調査)
調査期間:2024年7月13日(土)~7月15日(月)
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出典:(株)ADKマーケティング・ソリューションズ「ゲーム総合調査レポート2024」
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