コラム

トラディショナルメディアが挑む!コンテンツ力・信頼・集客力を備えた新たなチャレンジ

ad:tech tokyo 2024 公式カンファレンスレポート

20241016日(水)-18日(金)に開催されたアドテック東京2024(ad:tech tokyo 2024)2日目に、ADKマーケティング・ソリューションズ(以下、ADK MS)プラットフォームビジネス本部 出版ビジネス局 局長 倉重 美紀 https://adtech-tokyo.com/ja/MediaContent公式カンファレンス「トラディショナルメディアのチャレンジ」に登壇しました。

今回のセッションでは、マーケターが知っておくべきトラディショナルメディアの新しい取り組みと、その企業コミュニケーションへの活用方法、さらにメディアの進化について議論が交わされました。テレビ、雑誌、新聞の現場に精通し、現在はDX化や新規事業に取り組んでいる5人の専門家が、実践的な視点から議論を展開しました。

登壇者

左から、武井様、倉重、南様、大郷様、清水様

株式会社講談社 クーリエ・ジャポン編集部 編集長
南 浩昭 氏(モデレーター)

株式会社フジテレビジョン ビジネス推進局担当部長
清水 俊宏

日本テレビ放送網株式会社 営業局 営業戦略センター アドリーチマックス部
武井 裕亮

株式会社 日本経済新聞社 メディアビジネス ソリューション推進ユニット オペレーショングループ 部長
大郷 真由

株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ プラットフォームビジネス本部 出版ビジネス局 局長
倉重 美紀

トラディショナルメディアのチャレンジ

 トラディショナルメディアは、伝統的なコンテンツ力や信頼性、集客力を持ちながらも、変化に対して挑戦しづらいという印象があるかもしれません。しかし、実際には多くの新しい取り組みが行われており、その重要性が強調されました。

本セミナーでは下記の質問をもとに、各社の取り組みに関して紹介されました。

質問①:各社、いまどんな新しいことをしているか?
質問②:今後トラディショナルメディアはどう変わっていくのか?

本レポートでは、倉重が話した弊社の取り組みを中心に、その他の登壇者のお話についても簡単にご紹介させていただきます。

ADK MS 倉重美紀

①プラットフォームビジネス本部出版ビジネス局では、クライアントの課題に対し、出版社リソースを活用した価値提供の機会を作ることを目的として、以下の2つの柱で活動しています。

出版社リソースを活用した企画立案やソリューション開発
メディア・IP・データ・イベント・コンテンツなど、出版社が持つ多様なリソースを活用したソリューションを開発。特に、認知から興味関心、比較検討フェーズに至るまで幅広く取り組みが可能で、メディアタイアップや動画コンテンツ、イベント、UGC創出キャンペーンなど多彩な手法で課題解決を提案しています。

プラットフォーマーとの組み合わせによるプロダクト開発
出版社・プラットフォーマー、双方の強みを活かして発信力をもったフォーマットを開発。例えば、講談社の「KiisS」というコンテンツ提供型コンサルティングサービスと連携し、ショート動画ソリューションを提供。また、ソトコトが主催するSDGsアワードの授賞式やインタビューセッションのビデオリリースをNewsTVと連携して行うなど、新しい形でコンテンツを提供。メディアやコンテンツの新しい価値を見い出し、クライアント企業はもちちろん、生活者、コンテンツホルダーにも価値をもたらすことを目指しています。

どちらの取り組みを行うためにも重要なのが、出版社・コンテンツメディアの強みである、良質なコンテンツ・制作力メディア自体のブランド力、そして能動的なオーディエンスです。これらの強みをいかして、出版メディアの活かし方を模索し、コンテンツメディアの経済圏を広げる取り組みを推進しております。

②今後、トラディショナルメディアは、情報を発信し生活者に提供する役割に加え、人々の行動を促す力がより求められるようになると考えています。そのため、それをどのように作り出すか、そして示すのかが重要です。また、トラディショナルメディアのあり方として“奥行き”が大切になってくると思います。トラディショナルメディアもニューメディアも、生活者との接点は多様に存在しますが、集まった人々に対してどのような体験を提供していくか、その深みが問われる時代になるので、その奥行きをさらに探求していく必要があると思います。

講談社 南 浩昭 氏


①雑誌やウェブメディアでは、従来の広告商品に加え、雑誌メディアの強みである企画力、編集力、そして熱量の高い読者を活かした取り組みが行われています。当社の雑誌やウェブメディアでは、関心の高い読者にしっかり記事を届ける特集連動タイアップや、リード獲得を目的としたオンラインイベント、読者会員向けのメール広告やスタディツアー、企業のオウンドメディア支援などがあります。
さらに講談社メディア・コミュニティ・ラボ(MCL)では、メディア横断で読者コミュニティと企業をつなぐ取り組みに力を入れており、グループインタビューやウェブアンケートを通じて、熱量の高い読者の声を収集し、編集者の目線を介して企業にフィードバックすることで、より効果的なマーケティング施策を支援しています。

②テレビ、新聞、雑誌といったメディアの言葉の定義は、現在どんどん変わってきています。その中で、編集者の役割も進化し、従来の定義とは異なる形に変わりつつあると感じています。紙媒体やデジタルに限らず、場や商品を企画・開発・編集するスキルがますます重要になっているため、今後はさらにその取り組みを拡大し、進化させていきたいと考えています。

フジテレビジョン 清水 俊宏 氏

①ビジネス推進局では、伝統的なテレビ番組制作に加え、コンテンツの力で感動やわくわく感を生み出す新規事業の立ち上げを進めています。具体的には、メタバースでの「お台場冒険王」開催、YouTubeチャンネル運営、冷凍食品の開発、SDGs施策、企業とのオープンイノベーションフォーラムなど、多岐にわたる取り組みを実施しています。これにより、テレビ局の信頼性や制作力を活かし、世の中を幸せにする新しい形を目指しています。

②今のニューメディアも、何十年後にはすべてトラディショナルなメディアになります。そのため私たちは常に変化し、新しいチャレンジをし続ける必要があります。極端に言えば、「フジテレビでテレビをやっていたのですか?」と驚かれるような変革を目指しています。会社をさらに面白くするために、今後どんな取り組みをしていくかを視野に入れ、皆さんと一緒に進んでいきたいと思います。

日本テレビ放送網 武井 裕亮 氏


昨年新設された「AdReachMax部」では、テクノロジーの力で伝統的なテレビ広告の価値を開放することを進め、現代的なメディアに刷新しています。特に運用型動画広告の需要に対応するため、テレビ広告のデジタル化を進めています。
関東圏で4000万人にリーチできるテレビの強みを活かし、これまで手作業だったタイム・スポット進行管理の自動化により業務効率を大幅に向上。また、オンラインで透明性を持ち、PDCAサイクルを回すことを目指しています。

②これまでは「良いコンテンツを作ればそれで良い」という風潮がありました。しかし、近年では、トラディショナルメディアにおいても、コンテンツがどのようにマーケティングに活用されるかが重要な視点として注目されています。今後は、さらにマーケターの皆さんにどのように活用していただけるかを考えながら、進化を遂げていくことが大切だと考えています。

日本経済新聞社 大郷 真由 氏

①2010年に日経電子版を立ち上げ、日経IDという会員組織には現在約1000万人が登録しています。メディアビジネス ソリューション推進ユニット オペレーショングループでは、このデータを活用して広告配信、レポーティング、ターゲティングデータの運用など、広告を通じたマネタイズを担当しています。
広告配信では、読者体験を損なわないよう、詐欺広告やブランドリスクのコントロールを徹底し、記事と広告のバランス調整を行っています。また、ブランドセーフターゲティングも実現。さらに、データダッシュボードを活用し、紙面広告の閲覧状況を可視化し、広告効果を一目で把握できる仕組みを提供しています。広告以外では、社会的課題解決を目的としたイベントを実施。日経電子版に加え、日経Primeという6つの専門メディアも展開しており、広告枠にとらわれない、マネタイズ手法を検討・強化しています。

②各メディアは確実に変革を進めていますが、同時に昔から培ってきた強みも存在しています。これらの強みが再評価される時が来ると信じています。したがって、単なる変化だけでなく、進化を遂げているメディアにぜひ注目していただきたいと思います。安全で安心してご利用いただける点は各メディアに共通していますので今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


ADK MSでは今後も様々なテーマで、皆様のマーケティング活動における課題解決のヒントをお届けできるよう進めてまいります。
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また、翌日に行われたの式セッション『シニア世代のインサイトとマーケティング』に関してのレポートも掲載しております。是非ご覧ください。

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経営企画本部 PR・マーケティンググループ 伊藤 e-mailmspr@adk.jp

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