コラム
EC/通販事業のマーケティング支援で地域を活性化する!「D2Cビジネスグロースチャレンジ」
東日本ネットワーク支社「地域グロース支援プロジェクト」①
2024.12.10
ADKマーケティング・ソリューションズでは、東日本ネットワーク支社主導のプロジェクトとして、2023年10月より宮城県内のEC/通販事業を拡大したい企業を対象に「D2Cビジネスグロースチャレンジ」を開始しました(リリース)。選定された2社に対して今年よりマーケティング支援を行い、その取り組みは福島県や山形県にまで拡大しています。また、宮城県では第2回目の取り組みが始まっています。
本施策の好評を受け、この度ADK TIMESでは、東日本ネットワーク支社におけるこの施策のベースとなる「地域グロース支援プロジェクト」の考え方について、そしてそこから立ち上げた各プロジェクトの狙いや今後の展望について、3回シリーズでお届けします。
第一弾である本記事は、「D2Cビジネスグロースチャレンジ」プロジェクトを推進する東日本ネットワーク支社 グロースマーケティングデザイン室のシニア・プランナーの後藤拓哉と、シニア・ビジネスプロデューサーの伊藤宏樹にADK TIMES編集部が話を聞きました。
左から、伊藤、後藤、三浦、菅井
地域グロース支援プロジェクト、キーワードは「掛け合わせ」
編集部:東日本ネットワーク支社の地域グロース支援に対する考え方を教えてください。
後藤:私たちが担当する東日本の地域には、豊富な食材や観光資源、特定の分野に特化したスキルを持つ企業がたくさんあります。しかし、これらの強みを自社のビジネスグロースに十分に活かせているとは言えません。その大きな理由の一つは、事業規模の制約で多様なスキルを持つ人材を確保することが難しいことです。特に、マーケティングスキルの不足が地域企業の成長を妨げる要因となっています。
こうした地域の課題を解決するために、東日本ネットワーク支社では「掛け合わせ」をキーワードに様々な地域グロース支援プロジェクトを立ち上げました。各地域企業が持つスキルは限られていますが、互いのスキルを「掛け合わせる」ことで、新たな価値を「共創」できることが最大の特徴です。
まずは、これまでは広告プロモーションの受発注関係にあった地域企業と、私たちも地域企業の一員として、強みであるマーケティングスキルを提供し、互いのスキルを共創させることで新たな価値を生み出すビジネスへの変革を始めました。この取り組みを通して、地域企業のパートナーとして、中長期的に事業の成長を支援していくことが、私たちの目指すマーケティング会社の姿です。
地域企業と連携し「共創型プロジェクト」として立ち上げた、『D2Cビジネスグロースチャレンジ』
編集部:「D2Cビジネスグロースチャレンジ」はどのように立ち上げたのでしょうか?
伊藤:東日本地域内では、ECに取り組んでいる企業は多く存在しますが、販売に結び付かず、ノウハウや人材が不足しているという課題を抱える企業が非常に多いのが現状です。そこで、事業規模的にマーケティングの専門人材を保有できない地域企業を対象に、弊社のD2Cビジネスのマーケティングスキルを提供し事業成長を支援する、「D2Cビジネスグロースチャレンジ」プロジェクトを企画しました。
ただ、事業成長の可能性がある商材や企業を発掘し支援するために、弊社単独での実施はハードルが高かったため、地域で大きな影響力を持つメディア企業や銀行と連携しながら推進する「共創型プロジェクト」として立ち上げました。
2023年に宮城県で実施したプロジェクト第一弾では、東北最大の新聞社である河北新報社および河北折込センターと共催し、東北最大の地方銀行である七十七銀行の協力を得て、宮城県の後援のもとで実施。結果、多数の地域企業にエントリーいただきました。
審査を経て選定された企業には、1年間コンサルティングを無償で提供します。その期間を通じて、単発の「販売」ではなく、購入者との関係を構築・強化し、継続的に購入いただけるD2Cビジネスにおいて重要な「顧客化」をゴールとし、テストマーケティングを実施。このプロセスを通して、「売れる(売れ続ける)仕組みづくり」を進め、事業成長に向けた「勝ち筋」を創出する支援を現在も行っています。
宮城県で取り組み好評につき多数の応募をいただいたため、媒体社・銀行・自治体にご協力いたくプロジェクトのスキームをフォーマット化し、今年度からは福島県・山形県でも下記のように水平展開をしました。
・福島県:福島テレビ(共催)×東邦銀行(協力)×福島県(後援)
・山形県:朝日新聞社・山形テレビ・山形銀行(協力)×山形県(後援)
このように地域企業への支援を通じて成功事例を創出することで、他の地域企業が目標とするショーケースとなり、地域全体のD2Cビジネスの活性化を目指しています。
企業の選定ポイントは、「経営者の意欲」
編集部:選定企業の選定ポイントを教えてください。
後藤:企業を選定する上で商品の提供価値やマーケティング支援による事業成長の可能性は考慮しましたが、重視したのは経営者の事業に対する意欲です。現場担当者に任せて経営者が関与しないケースもありますが、今回はパートナーとして伴走しながら事業支援を行うため、経営者自身が本プロジェクトに熱意を持って参加できるかどうかを審査の際に確認いたしました。そのため現在の選定企業では、経営者にも定例ミーティングに毎回参加いただいており、現場担当者と共にディスカッションを重ねながらプロジェクトを推進していただいています。
事業パートナーとしての伴走型支援で事業成長へ
編集部:D2Cビジネスグロースチャレンジプロジェクトは通常の広告ビジネスと異なると思いますが、実際いかがでしたか?
伊藤:通常の広告ビジネスでは、広告やプロモーションを通じて商品の販売を促進する事業活動の一部を支援しています。それに対し、D2Cビジネスでは、事業計画や戦略立案、商品開発から顧客獲得、LTV(ライフタイムバリュー)の最大化まで、事業全体を伴走支援し、成果を創出する点が大きく異なります。
広告会社ではなく事業パートナーとして事業成長を支援し、その成果に対するフィーを対価としていただくので大きな責任が伴いますが、地域企業の経営者と共に一つのチームとして事業に取り組み成長に貢献できることに、非常にやりがいを感じています。
選定企業からの声
後藤:今回、支援を行った2社からもありがたいお言葉を頂戴いたしましたのでご紹介させて下さい。
株式会社鐘崎 代表取締役社長 嘉藤 明美 様
D2Cこそ自分たちがやりたかった”新しいお客様づくり”。支援を通じて具体的なターゲットや提供価値が明確化。
自分たちが取り組んでいたECとはやり方が全く異なっていたことが分かりました。支援を通じて商品の利用シーンを深掘りしたことで、具体的なターゲットや提供価値が明確になりました。 また、単に買ってもらうだけでなく、その後も買い続けてもらう「仕掛けづくり」の重要さも学び、実践することができています。
さらに、この取組が社内の参加メンバーへの刺激になっており人材育成にもつながっています。毎回ディスカッションを通して様々なことを教えていただく中で新しい気づきがあり、加えてPDCAのスピードや回し方が早くて驚いています。
有限会社橋本水産食品 代表取締役社長 千葉 孝浩 様
今までの考えに良い意味で”ダメ出し”をいただいた。小規模の当社でも成長できる勝ち筋に挑戦中。
自社ECでもECモールでも売上が伸びず、大きな課題でした。しかし、支援を通して、「売上」だけではなく、「お客様の数」が重要であり、「お客様と繋がりながら継続的に買い続けていただけるファンを創ること」が事業成長に不可欠だと教えていただき、身をもって実感しました。
当社は規模も小さく資金も少ないですが、我々の状況に合わせて今できること・すべきことを一緒に考えていただけるので、とても感謝しています。また、商品のアイディアも含め事業全体を支援していただけるのも助かっております。
今後は、更に北海道・新潟とエリア拡大へ
編集部:最後に、今後の取り組みを教えてください。
後藤:現在実施している、宮城、福島、山形での取り組みに続き、今後更に北海道や新潟などでの展開を検討しています。地方では、優れた商品やサービスを持ちながらも、ECや通販事業でなかなか売上を伸ばせずに悩んでいる企業が多く存在します。これらの地域においても、銀行や媒体社などの地域企業と連携しながら本プロジェクトを実施し、私たちの支援を通じて地域企業のさらなる成長に貢献していくことを目指しています。
ADK MS東日本ネットワーク支社では、今後も東日本地域内においてEC/通販事業を拡大したい企業を対象に「D2Cビジネスグロースチャレンジ」を継続していくことで、地域企業のパートナーとして、中長期的に事業の成長を支援してまいります。
そして次回は、東日本ネットワーク支社で実施しているもう一つの地域グロース支援プロジェクト、『牛たんの新しい仙台みやげを創ろう!プロジェクト』に関してご紹介します。
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<本件に関する問合せ先>
株式会社 ADKマーケティング・ソリューションズ
国内ネットワーク本部 東日本ネットワーク支社 東北支社
【D2Cビジネスグロースチャレンジ事務局】 後藤/三浦/高橋 e-mail:d2c-growth_prj@adk.jp
株式会社 ADKホールディングス
経営企画本部 PR・マーケティンググループ 根岸/伊藤 e-mail:mspr@adk.jp