コラム
ちいさいきみと ‒ちいきみ‒ 【第2話】
2024.12.19
子どもが生まれた、コピーライター10年目。ちいさいきみと見ている景色を言葉と絵にして。
育児同志に、「ホッ」を。仕事仲間に、「へぇ!」を。あなたの励みになれたら嬉しい、
フリーペーパー『ちい告』のスピンオフ企画です。
じぶんの話をSNSにあげるのが苦手だった。
非公開、知り合いだけのちっぽけなアカウント。それでも、私の話なんか載せて楽しいかな…
余計なことを書いて誰かに嫌な想いさせてたらどうしよう…なんてネガティブなことばかり考えて。
何分も考えた挙句、UPした瞬間削除してしまったり。
でも、子どもが産まれて、それが変わりつつある。
わが子がベッドから落下し、救急のお世話になってしまったことがあった。
一夜明け、ひととおり落ち着いても未だ、心配やら自分が情けないやら。
夫と話すだけでは飽き足らず、ストーリーズにつぶやいてみた。
すると、卒業以来一度も会っていない中高の友人から「うちもあるよ!自分を責めないでね」と返信が。
それも一通二通ではなく、何通も。
とても励まされ、ありがたく、SNSに投稿するのも悪くないなと思った。
それから、投稿のハードルが少しずつ下がっていった。
どうにも消化できない家族への愚痴めいたモノ。
友人だけのフォロワーの中でもさらに「親しい人」に限定し、公開してみた。
「愚痴なんか見せて気分悪くさせるかな…」いつものようにやっぱり削除しようと思った瞬間。
「わかる、自分がもうひとりいたらどんなに効率的だろうって思うよね(笑)」
「今週ワンオペで本当辛かったけど、仲間がいるって思えた。ありがとう」
「実はいま妊娠してるんだよね。いつも投稿に励まされてる!また書いて」なんて返信が続々。
愚痴ってしまう自分の存在だけでもイヤなのに、それをSNSに挙げてしまったこと…
うまく言葉にできない罪悪感にまみれていた心が、ほくほくした温かい気持ちに変わっていった。
愚痴っちゃいけない、そう思ってきたけれど。仕事して、子育てしての目まぐるしい毎日。
きっと、愚痴らなきゃやってられない。それに、必ずしも悪いことじゃないんだと思う。
愚痴を分け合い励ましに変えながら、上手にガス抜きしていけたら。
『ちい告』とは。
広告されない、ちいさなモノゴトマガジン『ちい告』。
時が経てば忘れてしまう「クスッ。」や「キュン!」を手のひらサイズにギュギュッとつめこんだフリーペーパーです。
(ADKグループから不定期発行。次号も準備中です!)
【共同編集長】片岡良子(CHERRY)・川瀬真由(ADKマーケティング・ソリューションズ)
【デザイン】大橋謙譲(CHERRY)
イラスト:大塚 文香