コラム

画像生成AIも駆使され、ワカスタ ビジコン始まって以来の高クオリティの年に。

JT様、BeReal.様、しまむら様の課題を若者視点で解決。「ワカスタ ビジコン2024」レポート

ADK若者マーケッター集団「ADK若者スタジオ(以下、ワカスタ)」によるマーケティングアイデアコンテスト『ワカスタ ビジコン』が本年も開催されました。昨年、開催10年の節目を迎え、今年で11回目となります。

ワカスタ ビジコンでは「若者が若者を動かす」というコンセプトのもと、参加企業が実際に抱えるマーケティング上の課題をテーマに、若者たちが課題解決のためのアイデアを企画・プレゼンし、優勝チームを決定します。優勝チームには賞金が贈られる他、企業と共に、企画実現に向けたプロジェクトにも参加していただきます。

過去には、実際に企画実施にまで至った企画も。
参考:ワカスタ×Pairs対談。若者の恋愛スイッチを押すには「煽り」がカギとなる。

さて、今年は日本たばこ産業株式会社(以下「JT」)様、BeReal.様、株式会社しまむら(以下「しまむら」)様の3社にご参加頂き、各社より以下の課題が提示されました。

JT様 Habee(ハビー)を大学生に流行らせる仕掛け
BeReal.様 「ワカモノが使いたくなるBeReal.の新機能アイディア」を提案せよ
しまむら様 ワカモノのしまむらオンラインストア認知度向上&利用してもらうための仕掛け

決勝大会に至るまでのコンテスト期間中には、ADKのプランナーによる「フィードバック会」や「スキルアップセミナー」など、プレゼンに向けたフォローアップの機会も設けられます。また、今年は新たに敗者復活戦も導入され、例年を超える白熱を極めました。

2/15に実施された敗者復活戦・スキルアップセミナーの様子。山形から2時間かけて参加していたメンバー、昨年のリベンジに燃える参加者など、気合の入る学生たち。

ワカスタ創設者である藤本耕平さんによるスキルアップセミナー。プレゼンにおいては、聞き手に対して、聞く前と聞く後で何らかの変化を与えること。どう変わってほしいのか、どう思ってもらいたいのか具体的にイメージして臨むことが大切と伝え、変化させるうえでの6つのテクニックが紹介された。

選考を経て、いよいよ、3月1日に決勝大会がADK本社で開催されました。この日は参加企業3社と、エントリー数116組416名の中から勝ち上がった21組の学生が集まりました。

午前の部では、予選を通過した21チーム(参加企業1社につき7チーム)のプレゼンが行われ、ファイナリスト6チーム(参加企業1社につき2チーム)が決定します。午後の部で、ファイナリストによる最終プレゼンを経て、栄えある優勝3チームが決定するという流れです。

開会にあたり、元ADKでワカスタ創設者の藤本耕平さんから「アイデアに正解はない。自分たちの考えたアイデアを、自信をもって発表してほしい。」と激励があり、各チーム最後のプレゼンに向けて気合が入りました。

参加者にも話を聞いたところ、
「昨年もワカスタ ビジコンに参加したのですが、優勝まであと一歩のところで負けてしまいました。なので、今年は絶対に優勝したいという想いでリベンジに来ました。ワカスタ ビジコンの良さはなんといっても、若者の視点を最重要視してくれるところだと思います。」

「私たちのチームはビジネスコンテストに出場するのが初めてで最初は不安もありましたが、ADK社員の方に予選からたくさんのフィードバックをいただき、企画書をさらに洗練させてきました。ワカスタ ビジコンで出会った他の参加者からも刺激を受けて、企画を考えることの楽しさを実感しています!決勝大会で全力を出し切って、悔いのない発表をしたいです。」

といった声があり、昨年のリベンジに燃えるチーム、ビジネスコンテスト初挑戦で企画することの楽しさを実感しているチーム、中には遠方から参加下さったチームもいるなど、皆さんそれぞれの意気込みが感じられました。

プレゼンは、各チーム制限時間10分、質疑応答5分で実施されました。
クライアント賞(優勝)を獲得したチームの企画と参加企業様のコメントをご紹介します。


<JT クライアント賞>
「やりたい!」が溢れる毎日を。/チーム「Mighty」


大学生は目標を堅苦しくて、崇高なものと感じていると分析し、これまで目標と認識されていなかった旅行や推し活、趣味などの「やりたい!」を、Habeeを通して目標と認識してもらい、目標の意識改革を目指す。アプリを利用者が「やりたい!」ことをバケットに詰め込んでいく仕掛けを提案し、そこから自分のやりたいことを見つけていく流れを構築。また、新歓期の勧誘ビラを入れるためのトートバックを配布し、「ビラもやりたいことも詰めこもう」というコピーでHabeeの新しい価値の浸透を図る提案も。


「Habee」
友達を誘ってやりたいことを気軽に始められるアプリ。ランニングや筋トレといったトレーニングから、ダイエット、料理や掃除などの家事、英会話に資格取得といった勉強など、40種類の目標カテゴリーから選び、友達と一緒に取り組むことができます。

【Habee様からコメント】
みなさんのプレゼン、すごく伝わりました。
今回、審査基準に関しては1次審査の時からずっと変えていません。①Habeeに関する理解度やコンセプトから考えてもらうこと。②定量・定性といったファクトに基づく課題の設定ができていること。③それに対するアプローチの提案の質。といった3つをベースに審査を行いました。
1次審査のタイミングから提案のクオリティは非常に高かったですが、最後の決め手となったのは、テーマとして挙げていた「Habeeを大学生に流行らせる仕掛け」という、ふわっとしたテーマに対して、チーム「Mighty」のご提案が一番イメージを持てたことです。機能や仕掛けを実現したいと前向きに考えていきたいと思いました。

日本たばこ産業株式会社
経営企画部 主任 Habeeプロダクトマネージャー 松永 悠 様
経営企画部 主任 Habeeマーケティング担当 徳永 琳風 様


<BeReal. クライアント賞>
BeReal.Spot 閉じ込めよう、思い出をSpotに。/チーム「隣の芝は青く見える」


若者は他人のリアルを見たがっている、という現状分析の元、ワカモノのリアルを引き出すためには、日常のリアルを構成する要素=「時間」×「場所」が重要であると仮定。
BeReal.の投稿の良さは、飾らないありのままを映すこと。撮影時間の制約があるBeReal.に、さらに「場所」情報の新機能を加え、時間×場所の掛け合わせ、更にリアルさを強調したシーンでの利用できるようになる。さらには他企業とのコラボの可能性があると企業利点も含めて提案しました。


BeReal.
2020年1月にフランスでリリースされた画像共有SNSで、フィルターや加工をせずに、内側と外側のカメラで同時に撮影した写真を投稿し、日常のありのままを友達とシェアするのが特徴。

【BeReal.様からコメント】
皆さんめちゃくちゃ優秀。本当にそう思います。
予選も踏まえて見ていたことは3つです。①自分が使うかどうか。②自分の周りも使うかどうか。③それが継続するかどうか。
アプリを考える上ではどれだけ長く使ってもらえるかどうかが大事なので、その観点で見ていました。チーム「隣の芝は青く見える」がご提案してくれたように、場所に行ったときに投稿の習慣がつけば、かならずみんなが使うアプリになる施策だったので、我々の目指すコンセプトとも非常に合致していました。

BeReal.
Head of Sales (日本代表) 笹川 明人 様
Agency Lead 後藤 沙百合 様

<しまむら クライアント賞>
スワイプで広がる新しい買い物体験/チーム「ワカメさん」


しまむらの本当の魅力は「宝探し」感覚で服を選べることにあると定義して、通常のアパレルECサイトでは商品が多すぎて選べないという若者層に向けて、新たにしまむらのECアプリにスワイプ機能を導入し、マッチングアプリにあるUIの要領で商品の「LIKE・SKIP」を選べるようにする。また、アプリのプロモーション案としてARで試着でき、アプリのスワイプUIを体験できるブースを設けることを提案しました。


しまむら
最新のトレンドファッションから、家族みんなが日常生活で使用する実用衣料・寝具・インテリアまで取り扱う総合衣料品店。一人ひとりのお客様に寄り添った、「毎日の暮らしが楽しくワクワクする」豊富な品揃えを、良質低価の”しまむら安心価格”で提供しています。

【しまむら様からコメント】
評価の基準は、若者らしいアイデアと分析、実現可能性があるか、という点で考えていました。「ワカメさん」のご提案を聞いていて、1番ハッとしたのは、オンラインストアは商品のバリエーションの豊富さを売りにしていて、多くの商品をアップして、その中から選べることを売りにしていましたが、若者からするとそれは大変でということです。今後改善していきたいと思いました。みなさんのいいアイデアを聞かせて頂けました。

株式会社しまむら
人事部 主幹 菅野 このみ 様
EC運営部 主幹 今野 勝裕 様


本年のビジコンを振り返って藤本さんは、
「今年はワカスタ ビジコン始まって以来のクオリティの高い年でした。画像生成AIも上手く駆使しており、スライドクオリティが高く、プレゼンにも熱がこもっていました。私も刺激を受け、初心に帰らなければと思わされました。ワカスタビジコンでは、若者だからこそ発見できるインサイトや意識を非常に求めています。皆さんは若者ならではのアンテナを持ち、若者だからこそ大人と違う視点を非常に考えながら、数ヶ月過ごしたのではないかと思います。今後社会に出た際、今回の経験を生かしながら、上の世代が知らないことや、若者らしい意見を生かしたアイデアを提案して、この経験をぜひ生かしていただければと思います。」とお話しされました。

ADKグループは今後も顧客のニーズに合ったソリューションを提供し、クライアント企業のビジネス成果の最大化に貢献してまいります。

関係各所の皆様、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!


【本件に関する問合せ先】
株式会社ADKホールディングス 経営企画本部 内山 e-mail:mspr@adk.jp

ADK Marketing Solutions Inc.