ニュースリリース
【詳細データ】ADK生活者総合調査2022『テレビ画面の使われ方』
2023.02.13
「ADK生活者総合調査」は、2008年よりADKマーケティング・ソリューションズにて毎年実施しているオリジナル調査です。関東・関西地区の男女15~79歳10,000名以上が回答する大規模調査であり、ライフスタイル・消費行動・メディア接触などの多面的視点から生活者の実態を捉えることができます。
調査では各年のトピックに合わせた質問を追加しており、近年インターネットに接続されたテレビで、様々なコンテンツ配信サービス(以下「サービス」)を楽しむユーザーが増えていることをうけ、2022年度からテレビ画面の使われ方に関する設問を追加しています。
この度、テレビ画面におけるサービスの利用・視聴のされ方(地上波テレビ放送、・BS・CS・CATV放送、インターネット動画)を分析した詳細データを公開します。
<トピックス> |
● 世代によって異なるテレビ画面の利用スタイル |
● 性年代別 テレビ画面でのサービス利用状況 |
● 地上波テレビ放送の視聴時間と、各サービス利用の関係 |
<詳細>
世代によって異なるテレビ画面の利用スタイル
テレビ画面上でのサービス利用分類を年齢別に比較すると、世代やライフステージによってスタイルが異なる様子が見えてきました。
一般的に大卒社会人デビューとされる22歳を境に、放送を“週1日以上利用する人”が増え始めます。
Z世代*1と重なる27歳以下では、放送・インターネット配信を問わず、“週1日以上の利用なし”の層が1割以上存在しており、団塊ジュニア世代*2に差し掛かる48歳で、”放送のみ”の利用率が50%を超える結果となりました。
*1 Z世代:1990年代後半から2012年頃に生まれた世代
*2団塊ジュニア世代:1971~74 年生まれの世代
※ 放送:地上波テレビ放送(リアルタイム視聴・録画再生)及びBS・CS・CATV放送(リアルタイム視聴・録画再生)
※ インターネット配信:YouTube、TVer、Netflix、Hulu、Amazonプライム・ビデオ、ABEMA、GYAO!、ニコニコ動画、上記以外のインターネット動画配信サービス、音楽配信サービス(Spotify、Apple Music、LINE MUSICなど)
※ その他(ゲーム・DVD等)のみ:放送及びインターネット配信の利用がなく、ゲーム(PlayStation、Nintendo Switchなど)、DVD・ブルーレイソフト(レンタルを含む)の視聴、インターネット配信以外のウェブサイト閲覧のみ利用
※ 週1日以上の視聴・利用なし:いずれのサービスもテレビ画面上での週1日以上利用なし(テレビ利用全くなしを含む)
性年代別 テレビ画面でのサービス利用状況
テレビ画面上で週1回以上利用しているサービスに関して、YouTubeはじめ一部のサービスでは、利用率がBS・CS・CATV放送に匹敵するものが出てきていますが、性年代別でもそれぞれ特徴があることが分かりました。
【15-19歳】
► 男女ともにYouTubeの利用がBS・CS・CATV放送を大きく上回り、40%を超える。
► Amazonプライム・ビデオの利用がBS・CS・CATV放送に匹敵。女性では8%上回る。
【20-34歳】
► 男女ともにYouTubeの利用がBS・CS・CATV放送を大きく上回り、45%を超える。
► 男女ともにAmazonプライム・ビデオの利用がBS・CS・CATV放送を超え、20%前後に。
► 女性ではTVerの利用が15.8%で他の年代に比べて最も高い結果に。
【35-49歳】
► 男女ともに地上波テレビ放送の利用が80%を超える。(34歳以下では70%台)
► 男女ともにYouTubeの利用がBS・CS・CATV放送を上回る。また女性に比べて男性の利用が9.1%高い結果に。
【50-64歳】
► 男女ともに地上波テレビ放送の利用が90%を超える。
► YouTubeの利用は地上波テレビ放送、BS・CS・CATV放送に及ばず、男性31.7%、女性23.1%。
► YouTube、Amazonプライム・ビデオの利用は男性、TVerの利用は女性のほうが積極的な傾向。
【65-79歳】
► 他年代に比べて、地上波テレビ放送、BS・CS・CATV放送の利用率が最も高い。
► YouTubeは男女ともに2割前後が利用。
また、テレビ画面上での各サービスの性年代別利用率を個人全体と比較すると、放送は高齢層中心に、配信は若年層を中心に利用される構図となっています。その中でTVerは独特な傾向にあり、ドラマ番組が多く配信されていることから女性高齢層の支持が高い反面、男性15~19歳の支持は低くなっています。
各サービスが主にどの性年代に支持されているかを見ることで、コネクテッドTVでの効率的な広告出稿の参考として捉えることが出来ます。
※ 地上波テレビ放送:リアルタイム視聴・録画再生の両方を含む
※ BS・CS・CATV放送:リアルタイム視聴・録画再生の両方を含む
地上波テレビ放送の視聴時間と、各サービス利用の関係
テレビ画面上で各サービスを週1日以上利用している人の、地上波テレビ放送の視聴時間分布を調べました。すると、YouTube、Netflix、Amazonプライム・ビデオの利用者では、地上波テレビ放送の視聴時間が「30分未満+週1日以上の視聴なし」の層が2割以上を占めている一方、TVerは地上波を2時間以上見る層が半数近くとなっていました。
また、地上波テレビ放送の視聴時間の違いによる、テレビ画面上でのサービス利用率を比較したところ、YouTubeとAmazonプライム・ビデオでは地上波テレビ放送の視聴時間が短い層でも比較的利用率が高く、4時間以上見る層では利用率がやや低くなる結果となりました。
一方TVerでは、地上波の視聴時間が長い層ほどテレビ画面上での利用率が高いことが分かりました。
地上波テレビ放送の視聴時間によるサービス利用率や利用者層の違いによって、YouTubeではテレビCMが届きにくい層に向けた情報の補完を、TVerではテレビをよく見る層へのさらなるアプローチを、というように、コネクテッドTVでの出稿方針を柔軟に変えていくことも検討に値するのではないかと考えられます。
– 地上波視聴:4時間以上(n=2554)
– 地上波視聴:2~4時間未満(n=3692)
– 地上波視聴:1~2時間未満(n=3653)
– 地上波視聴:30分~1時間未満(n=1974)
– 地上波視聴:30分未満(n=1038)
– 週1日以上視聴なし・テレビ利用なし(n=2303)
※ 地上波テレビ放送の視聴時間:すべて1日あたりのリアルタイム視聴時間
今後もADK MSではADK生活者総合調査を活用し、ターゲットプロファイリングや新商品開発、メディアプランニングなど、みなさまのビジネスの課題解決に貢献してまいります。
本調査の詳細については、当社担当へお問合せいただくか、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
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ADKマーケティング・ソリューションズ、「ADK生活者総合調査2022」より『テレビ画面の使われ方』に関するレポートを発表
<「ADK生活者総合調査」について>
2008年度よりADKが毎年関東・関西エリア在住の男女10,000名以上を対象に行っている、ADK独自の大規模生活者調査。意識/価値観・消費行動・メディア接触などの多岐にわたる項目を、同一のサンプルに聴取したシングルソースデータとなっており、生活者の意識・行動からメディア接触まで一貫した分析が可能です。また、ADK MS では東京大学、早稲田大学、武蔵大学と「データサイエンス領域」で連携し、教育・研究用に過去の生活者総合調査データを無償で提供しています。
―調査概要―
目的:生活者の生活行動・価値観・メディア接触を多面的に把握するため
対象エリア:関東 (東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・群馬県・栃木県・茨城県)
関西 (大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・和歌山県・滋賀県)
対象者条件:15~79歳の男女(中学生は除く)
サンプル数:16,196名
調査手法:インターネット調査
調査期間:2022/5/17(火)~6/6(火)
<本件に関する問合せ先>
株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ
統合チャネル戦略センター R&Dユニット データインフラ開発グループ 田代/山崎
ビジネス戦略局 PRグループ 後藤/根岸/内山 e-mail:mspr@adk.jp